日本版CHS基準は、日本の地方自治体や介護施設で使われるフレイルチェック方法です。世界で最も多く活用されているCHS基準に、日本独自の改良を加えたものです。
フレイルを確認する方法である日本版CHS基準について解説します。
日本版CHS基準の5項目と評価基準
詳しい説明の前に、まずは日本版CHS基準の5項目と評価基準をご紹介します。
項目 | 評価基準 |
---|---|
1.体重減少 | 6か月で2kg以上の(意図しない)体重減少 |
2.筋力低下 | 握力:男性<28kg、女<18kg |
3.疲労感 | (この2週間に)わけもなく疲れたような感じがする |
4.歩行速度 | 通常歩行 < 1.0m/秒 |
5.身体活動 | ①軽い運動・体操などをしていますか? ②定期的な運動・スポーツをしていますか? 上記いずれも「週1回もしていない」と回答 |
上記の5項目のうち、3つ以上に該当するとフレイルと判定されます。また、1つもしくは2つに該当するとプレフレイル(フレイル予備軍)となります。
CHS基準とは?
CHS基準とは、世界で最も多く利用されているフレイルの評価基準です。コロンビア大学のリンダ・P・フリード(Linda.P.Freid)らによって、2001年に考案されました。CHSは「Cardiovascular Health. Study」の頭文字をとったものです。
フレイルの基準として、体重減少、疲労感、活動量低下、歩行速度低下、握力低下の5つの項目を挙げました。
フリード女史は、アメリカの老年医学者です。また、コロンビア大学メールマン公衆衛生大学院で女性初の学部長に就任した人物です。2012年、ニューヨーク タイムズは科学分野の世界リーダー15人の1人に選びました。
日本版CHS基準とは?
日本版CHS基準とは、フリードらによるCHS基準を厚生労働省が日本独自に改良したものです。
CHS基準には、基準となる数値が定められていません。このため、世界の現場ではさまざまな数値が使用されています。これに対して厚生労働省では、日本での基準値を定めました。これが日本版CHS基準です。
日本版の基準作成は、日常生活で行われる基本動作(ADL)の低下や、死亡などのデータが元になっています。現在の日本版CHS基準は、2020年に国立長寿医療研究センターが改訂しました。
日本版CHS基準まとめ
厚生労働省が、日本の高齢者らのデータを元に日本版CHS基準を設けました。つまり、日本において高齢者が要介護になる危険シグナルを参考に、数値が設定されています。
このため、日本版CHS基準は、日本のフレイル対策では最も重視される指標となっています。
1つでも該当するとプレフレイル(フレイル予備軍)となります。予防を心掛けている方は、項目と数値を参考にして、日々の生活の改善などを行うようにしましょう。
健康寿命ポータルでは、フレイル対策のための記事を数多く公開しています。ぜひ、他の記事もご覧ください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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