精神心理的フレイルとは、加齢や環境変化により精神的に衰弱した状態のことです。

実は高齢者は、老化による認知機能低下や定年退職・死別などの環境変化により生きる気力が失われやすい環境にいます。そのため、周囲の人が高齢者の精神的な変化にいち早く気づいてあげることが重要です。

そこで今回は精神心理的フレイルの特徴や症状について解説します。

みんなで健康寿命を高めましょう!

健康寿命が全国平均より10歳も長い町・大阪府太子町から、健康的な日常生活を続けるためのヒントをお届けしています。

精神心理的フレイルとは

精神心理的フレイルとは、高齢化に伴い精神や認知機能が低下した状態のことです。

「精神・心理的フレイル」...高齢になり、定年退職や、パートナーを失ったりすることで引き起こされる、うつ状態や軽度の認知症の状態などを指します。

厚生労働省「健康長寿に向けて必要な取り組みとは?」

60代以降は定年退職や近しい人との死別など、大きなライフイベントが発生します。

すると環境の変化が引き金となり、不安症状や不眠、抑うつ状態、活力低下、慢性的な疲労感など、心理的な健康が損なわれやすくなるのです。

メンタルヘルス悪化の放置は認知症につながり、要介護に突入する危険性も高まります。

身体的フレイル・社会的フレイルとの関係

フレイルとは、健康と要介護のちょうど中間の未病状態のことです。

精神心理的フレイルのほかに、サルコペニアによる身体的フレイル、孤立や困窮による社会的フレイルなどの3つの側面から成り立っています。

心身が弱ってくると家にこもりがちになり、精神的・社会的孤立が加速します。するとさらに外出が減り、心身が衰弱するという悪循環におちいりがちです。

フレイルの負のスパイラルを断ち切るためには、まず正しい知識を持つことが求められます。

フレイルとは?老化による抵抗力と体力の低下

フレイルは、健康寿命を伸ばすために克服すべき身体の状態です。老化によって体力が落ちることは避けられませんが、予防のための対策は重要です。日頃からの心掛けやケア…

精神心理的フレイルのきっかけ

健康な状態から精神的なフレイルへと変化するきっかけは、さまざまな原因が挙げられています。そして、多くの場合には特定の具体的な原因があるわけではありません。つまり、日常生活における複合的な要因によって、精神心理的フレイルは発生します。

また、いつも笑顔で健康的な生活をしていた方であっても、何かしらのきっかけによって精神心理的フレイルに陥るケースも見られます。

具体的には、次のような要因が精神心理的フレイルのきっかけとして挙げられます。

  • 病気や体調不良などの健康面によるもの
  • 長年勤めてきた職場での定年退職(大きな環境変化)
  • パートナーや親しい友人との死別(負のライフイベント)
  • 親やパートナーの介護にかかわる問題
  • 高齢化による適応力や対応力の低下
  • 職場や家庭での小さなストレスの積み重ね
  • 身体機能や認知機能の低下(認知的フレイル)

このような心理的な変化は本人の自覚症状がないことも特徴です。このため、周囲の人からの指摘などによって初めて気が付くケースが多いです。

なお、身体的フレイルと認知機能低下が同時に発生している場合を「認知的フレイル」と呼びます。

精神心理的フレイルの症状

高齢者の精神心理的フレイルの症状は、主に抑うつや無気力として現れます。

脳が老化すると、どうしても精神的な機能や認知機能の低下は避けられません。それに加えて、退職による経済状況の悪化や身体的な機能低下が伴うとフレイルの症状は加速します。

認知機能の低下

もともと脳が加齢すると認知機能は低下します。しかし、精神心理的フレイルが重なると認知機能の低下はさらに顕著です。

適応能力や問題処理能力の低下など、「いままではできていたこと」ができなくなっていく不安や恐怖は、高齢者にとって大きなストレスになります。

抑うつ状態・意欲の低下

認知機能の低下にともない外出やコミュニケーションが次第に面倒になります。人とのつながりから孤立(社会的フレイル)するほど、さらに無気力・抑うつ状態傾向が強まる危険な状態です。

また、家に閉じこもると活動量の減少から筋力低下(身体的フレイル)も加速します。

なお、フレイルとうつ病は相関関係があることが研究で明らかになっています。フレイルになると4倍うつ病になりやすくなり、逆にうつ病高齢者は4倍フレイルになりやすいのです。

心理的フレイルを予防する方法

精神心理的フレイルは、誰もが直面する可能性があります。

しかし、早期発見・早期対策さえすれば健康な状態に戻すことが可能です。

運動によるストレス管理

実は、心理的フレイルの予防に運動が有効であるという研究結果がでています。

週に3回以上の運動習慣がある高齢者はアルツハイマー型認知症の発症率が低く、フレイル全体の予防に効果的です。

激しい運動が不安な方は、地域の運動コミュニティーに参加してみましょう。

例えば、健康寿命が平均よりかなり長い太子町では地域の方々と交流できる運動習慣をつくるため「ノルディックウォークCLUB」という団体が活動しています。

歩く力を強化!ノルディック・ウォークで健康への第一歩を

感染症やウイルスが増える現代社会、健康やフィットネスへの関心が高まっています。 そんな中で近年「ノルディック・ウォーク」という運動が注目されています。 「ノルデ…

地域コミュニティへの参加

精神的な健康を保つには、趣味のサークルや地域のボランティアなども有効です。

誰かと一緒に活動をすることで、社会参加や交流の機会になります。

認知機能の向上には歌うことも有効です。地域で開催されている「うたごえ喫茶」などを探してみましょう。

生きがいを見出し、仲間をつくる活動を積極的に行うことが重要です。

大声で歌うと健康寿命が伸びる?歌と健康の関係を解説

大声で歌うことは、健康寿命を伸ばすことに役立ちます。正しい歌い方は、気分が良くなるだけでなく、心肺機能を高めることにも効果的です。また、サークルや集まりに参加…

精神心理的フレイルを正しく予防して健康な毎日を

精神心理的フレイルは、人とのつながりのなかで予防することができます。

しかし、高齢者自身では自分の変化に気づきにくく、陰ながら症状が進行するのが恐ろしいポイントです。

高齢者の外出をサポートするほか、精神的な変化がないかなど周りの人はよく注意して見守っていきましょう。

健康寿命ポータルでは、フレイルや健康に関する情報発信を行っています。ぜひほかの記事も参考になさってください。

最後までお読みいただきありがとうございました。