身体的フレイルとは、身体の運動機能が低下するフレイルのことです。主に、筋力や心肺機能が低下することによって、疲れやすさや活動量の低下を引き起こします。

身体的フレイルの特徴や予防方法、改善方法について解説します。

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身体的フレイルとは?

身体的フレイルとは、老化によって筋力が落ち、移動や運動の機能が低下する状態です。

運動器の障害で移動機能が低下したり(ロコモティブシンドローム)、筋肉が衰えたり(サルコペニア)するなどが代表的な例です。

厚生労働省「健康長寿に向けて必要な取り組みとは?

厚生労働省の解説によると、身体的フレイルはロコモディブシンドロームやサルコペニアとも深い関係があります。つまり、健康寿命にも強く影響しています。

なぜなら、身体の抵抗力が落ちることで、ケガや病気になりやすくなります。そして、転倒などの事故やケガ、病気などによって要介護に進む危険性が高くなります。これによって、健康寿命が終わりを迎えます。

3種類のフレイル

一般的にフレイルは3種類に分けられます。

身体の機能が低下すると、社会的な繋がりが減少していく要因になります。また、ひとりの状態が多くなることで、精神的にも抑うつや認知の低下につながるリスクがあります。このため、身体的フレイルの予防や改善は、非常に重要です。

フレイルとは?老化による抵抗力と体力の低下

フレイルは、健康寿命を伸ばすために克服すべき身体の状態です。老化によって体力が落ちることは避けられませんが、予防のための対策は重要です。日頃からの心掛けやケア…

身体的フレイルの特徴

身体的フレイルは、フレイルの5つの兆候のすべてと密接に関係しています。

  • 疲れやすくなる
  • 活動量が少なくなる
  • 筋力が低下する
  • 動作が遅くなる
  • 体重が減る

では、それぞれの兆候について、身体的フレイルとの関係を解説します。

疲れやすくなる

筋力や心肺機能の低下は、直接的に疲れやすさの原因となります。つまり、これまでと同じ距離を歩いても、筋力が無いために強い疲労を感じます。また、呼吸が浅くなることも疲労をうむ原因です。

疲れやすさを単なる老化と捉えずに、身体的フレイルの兆候として対策を行いましょう。

活動量が少なくなる

身体の機能が低下すると、活動量が少なくなります。そして、これまでのように歩けなくなることで、定期的に顔を出していた集まりやサークルに参加しなくなるケースもあります。

このように身体的フレイルは、悪循環を引き起こし、さらに身体機能を低下させていきます。

筋力が低下する

筋力の低下は、身体的フレイルのひとつの大きな特徴です。もちろん、老化によって自ずと筋力は低下します。しかし、日常生活に支障が出る程度まで低下すると危険です。

歩ける距離が短くなったり、普段座っている椅子を重く感じたり、筋力の低下に気づく機会は多くあります。まずは筋力の低下を自覚し、意識的に運動することを心掛けましょう。

動作が遅くなる

動作が遅くなる要因のひとつは、身体的フレイルによるものです。これは筋力の低下によるものです。さらに、転倒リスクを恐れて動作が遅くなってしまうこともあります。

ケガに気を付けることは大切ですが、動作が遅くなることで身体の機能を低下させる原因になります。

テキパキと動くことを心掛けるだけでも、動作が遅くなることを防ぐきっかけになります。また、家族や仲間と一緒に行動する機会を作ることも大切です。

体重が減る

体重の減少は、筋力の低下を伴うものです。また、病気に起因する場合もあります。身体的フレイルの兆候としては数値で確認しやすいですので、体重計に乗る習慣が大事です。

身体的フレイルの予防方法

適度な運動を行うことが、身体的フレイルの予防には最も適しています。決して大きな負荷をかける必要はありませんが、多少の負荷を感じる程度の運動を心掛けます。

朝夕の散歩

多くの高齢者が取り組まれていますが、朝夕の散歩は身体に適度な負荷を与えてくれます。近所を散歩する場合には、階段や坂道などを意識してルートに入れるのが好ましいです。

散歩には、筋力低下を防ぐ効果に加え、心肺機能の維持にも役立ちます。このため、歩いているときには、しっかりと深い呼吸を意識しましょう。大きく空気を吸い込んで、吐き出していることを確認します。

高齢者の中には、冬になると寒さで散歩をやめてしまうケースがあります。できれば仲間で一緒に歩くようにして、冬も中断せずに歩くことを心掛けましょう。複数人で歩くことは社会的フレイルの対策にもなります。

レジスタンス運動

レジスタンス運動とは、身体に一定の負荷をかけて行うトレーニングのことです。具体的には、ダンベル体操や腕立て伏せ、腹筋などのことです。

もちろん、高齢者がレジスタンス運動を行う際には、ケガへの配慮が必要です。老化によってケガが治りにくく、要介護へと進行する原因にもなりかねません。

レジスタンス運動には、ダンベルなどの器具を用いる方法と、腕立て伏せやスクワットなどの自重による方法があります。一般的には自重のトレーニングは負荷の調整が難しいです。このため、高齢者のトレーニングでは、ダンベルやゴムベルトなどの器具を用いる方がおすすめです。

ヨガ

ヨガは、ゆったりとした身体の動きを自分自身で調整しながら行えるエクササイズです。筋力の増加にはあまり貢献しませんが、柔軟性を高めます。このため、ケガを防ぐ効果があります。

激しい運動ではケガの危険性がありますが、ヨガであれば大きなケガの心配はありません。また、精神的な穏やかさを保つ効果もあるため、精神心理的フレイルにも良い影響が期待できます。

週に1回程度でもヨガ教室に通うことで、仲間ができ、コミュニティにも参加できます。最初は不慣れな身体の動きでも、慣れてくれることで少しずつ出来るようになります。仲間と一緒に達成感を味わうことも大切です。

身体的フレイルまとめ

身体的フレイルは、相互に関係しあうフレイルのなかでも中核的な存在です。つまり、身体の機能低下は、心身に対してさまざまなトラブルを引き起こします。

このため、日頃から身体の健康を心がけ、フレイルの発生を予防することが重要です。また、すでに身体的フレイルの兆候がある方は、生活習慣を変えることで改善に取り組みましょう。

健康寿命ポータルでは、身体的フレイルの予防や改善のためのヒントを数多く発信しています。ぜひ、他の記事も合わせて読んでください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。