長寿菌は、寿命を伸ばす働きを持つ体内の善玉菌のことです。長生きの高齢者には特定の腸内細菌を多く持っていることが分かっています。

健康寿命を伸ばすために、長寿菌を活用しましょう。この記事では、長寿菌の種類や働き、増やす方法などを詳しく解説します。

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長寿菌とは?

長寿菌とは、長生きの高齢者の腸内に多く存在する善玉菌の総称です。つまり、長寿菌という名前の菌があるわけではありません。

腸活ブームや、健康寿命への関心が高まるなか、腸内細菌に注目する医師が増加しています。そして、腸の環境を整えることが長寿の秘訣であると訴える医師も少なくありません。

腸内細菌は1000種類以上、100兆個以上

ひとの腸内には善玉菌と悪玉菌を合わせて、1000種類以上の腸内細菌が100兆個以上あります。状況に応じて善玉にも悪玉にもなる日和見菌も多く含まれます。

これらの細菌が腸内で相互に作用しながら活動する様子を、腸内フローラと呼びます。腸内フローラを健全に保つことが、いわゆる腸活の目指すところです。

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腸内フローラは、小腸と大腸に存在する多種多様な腸内細菌を表す言葉です。腸内環境を整える腸活に取り組む方は是非、正しい言葉の意味を理解しましょう。なぜなら腸内細…

代表的な6つの長寿菌

いわゆる善玉菌のうち、長寿菌として紹介されることが多い腸内細菌は、次の6つです。

  • 乳酸菌
  • ビフィズス菌
  • 酪酸菌
  • アッカーマンシア・ムシニフィラ
  • 大便桿菌
  • ラクノスピラ

それぞれの腸内細菌の特徴や働きについて解説します。

乳酸菌

乳酸菌は、発酵によって糖から乳酸をつくる微生物のことです。腸内の悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える役割をします。いわゆる善玉菌のひとつで、代表的な長寿菌です。

乳酸菌が含まれる食品には、ヨーグルトやチーズ、漬け物、日本酒、キムチなどがあります。

ビフィズス菌

ビフィズス菌は、人や動物の腸内に存在する善玉菌です。乳児の腸内には特に多くあります。一般的に、乳酸菌の100倍程度のビフィズス菌が腸内にあります。

整腸作用に加え、病原菌の感染や腐敗物を生成する菌の増殖を抑えます。ただし、酸に弱いため、口から入れても腸まで届けることが困難な菌でもあります。ヨーグルトに多く含まれます。

酪酸菌

酪酸菌は、腸内を弱酸性にする酪酸を生み出す腸内細菌です。悪玉菌の発育を抑制し、乳酸菌やビフィズス菌が育ちやすい環境を整えます。

芽胞というカプセルに包まれている酪酸菌は、腸まで届きやすいという特徴があります。また、腸のエネルギー源となり、細胞に働きかけます。ぬか漬けや臭豆腐に含まれますが、微量であるため食品による摂取は困難です。

アッカーマンシア・ムシニフィラ

アッカーマンシア・ムシニフィラは、肥満や糖尿病と深く関係がある腸内細菌です。成人の腸内細菌の1%から4%程度が標準です。太りやすい体質の方は、この微生物が少ない可能性があります。

腸の内側を覆うムチンという物質を栄養源として繁殖します。また、ムチンを産み出す役割も担っています。このため、ムチンの入れ替わりに関係し、腸を守る機能があることが分かっています。

大便桿菌

大便桿菌は、フィーカリバクテリウムとも呼ばれる腸内細菌です。腸内で酪酸を産み出す働きをすることで知られます。いわゆる酪酸産生菌のひとつです。

つまり、大便桿菌が増えることは、腸内の酪酸菌の増加へと繋がります。長寿菌として酪酸菌が注目を集めるなかで、フィーカリバクテリウムも長生きに役立つ腸内細菌として名前が挙げられています。

ラクノスピラ

ラクノスピラも、腸内で酪酸菌を産み出す細菌のひとつです。一般的にラクノスピラは、ラクノスピラ科と呼ばれる腸内細菌の総称として用いられます。

健康な腸内フローラを整えるために、ラクノスピラは欠かせない細菌です。ただし、ラクノスピラ科の腸内細菌の中には、糖尿病を誘発するものも含まれているとの指摘があります。

長寿菌に関するおすすめ書籍

さらに詳しく長寿菌について知りたい方のために、おすすめ書籍をご紹介します。

長生きのための新しい腸活(江田証)

長生きのための新しい腸活(江田証)

海外からも来院する江田クリニック(栃木県)の医院長である江田証医師の著書「長生きのための新しい腸活」です。

長寿菌については5大長寿菌として紹介がされています。また、長寿菌を摂るための食材などの詳しい解説もあります。

また、江田医師の著書には「すごい酪酸菌」「新しい腸の教科書」などがあります。

最高の腸活(辨野 義己)

最高の腸活(辨野 義己)

辨野腸内フローラ研究所の理事長である辨野義己博士による著書「最高の腸活」です。

健康な人の腸内細菌パターンを研究し、健康長寿な高齢者の腸内に「長寿菌」が存在することを見つけた辨野義己博士が、正しい腸活について解説しています。

また、同博士の他の著書には「腸内細菌が健康寿命を決める」「大便革命 腐敗から発酵へ」などがあります。

長寿菌まとめ

長寿菌は、長生きしている高齢者の腸内から多く発見される微生物です。アンチエイジングや腸活がブームになるなか、長寿菌の役割や増やし方に関心を寄せる方が増えています。

乳酸菌やビフィズス菌などは、以前から善玉菌として知られてきました。すでに人の腸内には数多く存在しており、2つの菌を活性化させる腸内環境づくりが大切です。いわゆる腸内フローラの改善は、乳酸菌やビフィズス菌の働きを助けることによって実現します。

そして、最近ではテレビや雑誌、書籍でも取り上げられるケースが増えているのが、酪酸菌です。酪酸菌には悪玉菌の活動を抑制し、腸内のエネルギー源となる役割があります。つまり、乳酸菌やビフィズス菌の働きを活発化させる効果が期待できます。

長寿菌に関する情報も、健康寿命ポータルには数多く掲載しています。ぜひ、他の記事も参考にしてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。