「サルコペニア」「ロコモ」「フレイル」は、どれも高齢者の要介護リスクを高める疾患です。
またこの3つの疾患は強い相関関係があります。お互いがお互いを悪化させる可能性が高い危険な状態なのです。
健康寿命を延ばすためにも、サルコペニア、ロコモ、フレイルの違いを正しく理解しておくようにしましょう。
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サルコペニア、ロコモ、フレイルの関係性
サルコペニア、ロコモ、フレイルはどれも加齢に伴う運動器疾患と関わりがあります。
運動器とは、日常動作を行う体の仕組みのことです。骨や筋肉、関節、脊髄、神経などを指します。
運動器の機能低下は要介護を引き起こす大きな要因です。そのため健康寿命を高めるためには運動器を健康に保つ必要があります。
サルコペニア、ロコモ、フレイルの違い
サルコペニア、ロコモ、フレイルは「身体が弱る」ことは共通点です。
しかし、3つの疾患の特徴はそれぞれ異なります。
- サルコペニア:加齢により筋肉量や筋力の低下した状態
- ロコモ:運動器障害により身体機能が低下した状態
- フレイル:主に身体的フレイルは心身全体が衰弱した状態
つまり、サルコペニアは筋肉量や筋力に注目した疾患です。そしてロコモは運動器、フレイルは全身症状と徐々に範囲が拡大していきます。
サルコペニア→ロコモ→フレイルの順に発症する
それぞれの疾患は、サルコペニア<ロコモ<フレイルの順に悪化していきます。
まず、運動不足や栄養不足などが引き金となり、サルコペニアを発症します。「加齢性筋肉減弱現象」という別名の通り、全身の筋力や筋肉量が低下した状態です。
そしてこの状態が進行すると、立つ・座る・歩くなどの日常動作が難しくなりロコモティブシンドローム(ロコモ)を発症します。
さらにロコモ状態を放置すると、身体的な衰えがますます進行して家に閉じこもったりつながりが失われていきます。最終的には身体的・精神的・社会的な衰弱がおこり、フレイルが発症、要介護状態に進行してしまうのです。
サルコペニア、ロコモ、フレイルの診断基準
サルコペニア、ロコモ、フレイルどれも危険な状態ではありますが、早期予防・早期対策を行えば誰でも健康な状態に戻ることができます。
そのため、自分が現在どの状態なのかしっかりと把握しておくことが大切です。
それでは、サルコペニア、ロコモ、フレイルのそれぞれの診断基準や自己チェック方法を確認していきましょう。
サルコペニア
サルコペニアは筋力や身体機能が低下する状態です。そのため転倒や骨折などから寝たきりの原因となり、フレイルやロコモを引き起こしやすくなります。
主にサルコペニアの医学的な診断基準は、握力低下、身体機能の低下などで測定されます。
また、セルフチェック方法は「ふくらはぎの輪っかテスト」や「片足立ちテスト」などです。
- つまづいたり、転倒することが増えた
- 青信号の間に横断歩道を渡り切ることができない
- ペットボトルなどの蓋が開けられない
上記のような症状がある方は、以下のリンクからサルコペニアのセルフチェックを行ってみましょう。
ロコモティブシンドローム
ロコモとは、運動器障害により身体機能が低下した状態です。
例えば、骨粗鬆症や変形性膝関節症、脊柱管狭窄症、リウマチなどの疾患を引き金に発症しやすいことがしられています。
しかし、生活習慣によっては若い人でも発症するため注意しなければなりません。
またロコモの診断には「立ち上がりテスト」「2ステップテスト」「ロコモ25」が使われています。
自分で確認することも可能です。以下の症状に当てはまる人はチェックしてみましょう。
- 片脚立ちで靴下がはけない。
- 家の中でつまずいたりすべったりする。
- 15分くらい続けて歩くことができない。
- 横断歩道を青信号で渡りきれない。
フレイル
フレイルはサルコペニアやロコモと異なり、運動器以外の障害を含む概念です。
身体機能の低下に加え、認知機能低下などの精神的な衰弱、孤立など社会的つながりの喪失などの側面を含み、「健康な状態と要介護状態の中間」と表現されます。
フレイルの診断基準は、基本チェックリストなどの問診がメインです。
自己チェックにも活用できるため、フレイルの基本チェックリスト25項目や東京大学の飯島勝矢教授ら考案のイレブンチェックなどを行ってみましょう。
サルコペニア、ロコモ、フレイルを予防して健康を維持しよう
サルコペニア、ロコモ、フレイルはそれぞれ異なる疾患です。しかしどれも運動器に関連しています。
「なんだか最近身体が動きにくくなったな」「歩いたりするのが大変になってきたな」と感じたら、まずはセルフチェックを行うことが大切です。
必要であれば医師の診断を受け、正しく予防・改善につなげていきましょう。
健康寿命ポータルでは、それぞれの予防方法についても情報発信を行っています。ぜひ他の記事も参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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