高齢者のスマホ利用状況は、年を追うごとに改善が続いています。つまり、スマホを保有している高齢者の数は増え、日常的に利用している割合も増加傾向です。

いわゆるガラケー端末向け3G回線のサービス提供の完全終了が迫っています。連絡手段がなくなる高齢者は、社会との交流が無くなり、健康寿命を短くする懸念があります。

高齢者のスマホ利用状況について、最新データをまとめてご紹介します。

この記事の監修

監修:株式会社京谷商会

株式会社京谷商会は、大阪府南部エリアにおいて、出張形式で高齢者向けスマホ講座を行っています。シニア情報生活アドバイザーの有資格者が在籍し、高齢者の生活でスグに役立つスマホ活用法を指導しています。

高齢者のスマホ保有率は79%に上昇

70代のスマホの保有率は79%となりました。2023年版のモバイル社会白書(モバイル社会研究所)にまとめられています。また、60代のスマホ保有率は、93%に達しています。

70代のスマホ保有率の推移(2023年版モバイル社会白書)
70代のスマホ保有率の推移(2023年版モバイル社会白書)

前年版(2022年版)では、70代のスマホ保有率は70%でした。つまり、前年比で9%上昇しています。

今後は、高い保有率の世代が70代を迎えます。このため、高齢者のスマホ保有率は上昇していくことが予想されます。

なお、ここで紹介したスマホ保有率には、フィーチャーフォンが含まれています。

高齢者のスマホ利用状況は「利用している」が約40%

70歳以上の人々で、スマホを「よく利用している」「ときどき利用している」と答えた割合は、合わせて40.8%でした。総務省がまとめた令和3年の情報通信白書によるものです。

高齢者のスマホ利用状況は、他の世代を大きく下回っています。

情報通信機器の利活用に関する世論調査
令和3年情報通信白書「情報通信機器の利活用に関する世論調査」

高齢者のスマホ利用状況についても、利用率の高い世代が70歳を迎えることで、少しずつ改善の見込みです。しかし、60代であっても「よく利用している」「ときどき利用している」の合計は73.4%に留まっています。

ガラケー向け電波は続々とサービス提供を終了

いわゆるガラケー向けの3G回線は、通信会社ごとに順次、サービス提供を終了します。既に、KDDIは2022年3月に、ソフトバンクは2024年1月にサービスを終了しました。

また、残るNTTドコモも2026年3月末に、3G回線のサービス提供を終了する予定です。

このため、スマホの利用方法が分からない高齢者は、携帯できる通信端末を失います。スマホの保有率や利用状況には改善が見られますが、まだまだ不十分な状況です。

この記事に関連する質問

シニアのスマートフォン普及率は?

シニアのスマートフォン普及率は、60代で93%、70代で79%に達しています。2026年3月末のガラケー回線の完全終了を前に、普及率は高まりつつあります。

ただし、実際に「利用している」と答えたユーザーは、60代が73.4%、70代が40.8%に留まっています。このため、普及率は高いものの、スマートフォンの利用促進が必要です。

2015年の高齢者のスマホ利用状況は?

2015年の高齢者のスマホ利用状況は、70代のスマホの保有率が13%、フィーチャーフォンが72%でした。また、スマートフォンおよびフィーチャーフォンを持っていない高齢者が72%に及びました。

それぞれの数字は2023年には、スマホの保有率が79%、フィーチャーフォンが15%となっています。