未病とフレイルの違いはあまり意識されず、混同されていることがあります。
実はどちらも心身の衰弱を示す言葉なのでよく似ています。しかし、厳密にいえば枠組みの異なる概念です。
そこで今回は、未病とフレイルの違いをみていきましょう。
また、未病やフレイルの予防対策も合わせて解説しますので参考になさってください。
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未病とフレイルの違い
未病とフレイルは、どちらも心や体が弱っている状態を示す言葉です。
しかし、行き着く先が「病気」か「要介護」かという違いがあります。
まず未病は「健康と病気」の中間に位置する状態で、だれでも陥る可能性があります。起こる症状も、頭痛や疲労感など自律神経失調症と似ています。
その一方、フレイルは「健康と要介護」の中間の状態です。主に高齢者が陥りやすくとしており、加齢に伴う症状が多く見られます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
未病とは?
未病とは、健康状態から離れ、病気になりかけている状態のことです。
具体的には加齢による不調や自律神経失調症に似た症状、生活習慣病がみられます。
- 慢性的な疲労感
- 無気力・ネガティブ
- 食欲不振
- 不眠
- 慢性頭痛
- 高血圧
- 糖尿病
- 肥満・メタボリックシンドローム
- 動脈硬化・脳梗塞
などが主な症状です。
早めに対処すれば健康な状態に回復することができます。しかし放置すると重い病気や慢性疾患に移行してしまう可能性が高い状態です。
フレイルとは?
フレイルとは、高齢者が心身ともに衰弱し、要介護になりかけている状態のことです。
またフレイルは、現れる症状から「身体的フレイル」「社会的フレイル」「精神・心理的フレイル」に3種類に分類することができます。
まず、身体的フレイルの症状は以下の通りです。
- 関節や筋肉の衰え(サルコペニア)
- なかなか疲れが取れず、やる気が起きない
- 歩行速度が遅くなって青信号のうちに横断歩道を渡れない
- 握力が弱くなってペットボトルが開けられない
次に、社会的フレイルには以下のような症状があります。
- 1日中家に引きこもる
- ひとりで食事することがほとんど(孤食)
- 誰とも話をせず、会わない
- 外に出かける用事がまったくなく孤立する
最後に、精神・心理的フレイルの症状は以下の通りです。
- 物忘れが多い
- 認知機能や判断力などが低下してきた
- 活力や意欲がなくなる
- 抑うつ状態になりやる気が起きなくなる
実はフレイルの症状は適切に対応すれば健康状態に戻すことができます。そのため、早期発見・早期対応が重要なのです。
未病とフレイルを改善するには
未病もフレイルも「可逆的」な状態といわれています。つまり、意識して対策をすればどちらも健康な状態に戻ることができるのです。
また、未病とフレイルは異なる概念ですが、実は改善方法はよく似ています。
そのため、未病やフレイルの改善方法を実践すれば、どちらも予防・改善できるのです。
食事習慣の見直し
まずはジャンクフードなどを控え、栄養バランスの整った和食を取り入れるようにしましょう。
例えば「まごわやさしい」(豆類・ごま・野菜・魚・キノコ・海藻・芋)を取り入れた献立がおすすめです。
また、同じ時間に3食食べることや、誰かと一緒に楽しんで食事をすることも予防につながります。
運動習慣をつくる
未病予防もフレイル予防も、身体機能を維持することが大切です。
急に強い運動を取り入れても長続きしないため、まずは散歩から始めて家の外に出る習慣をつけましょう。
ラジオ体操やウォーキング、ヨガや軽い筋トレなど、ご自身の生活習慣に合わせて取り組むことが大切です。
口腔ケアを行う
特に高齢者では、未病やフレイルは口腔機能の衰えから始まることがあります。
口は食事に欠かせないことはもちろん、噛むことで脳に刺激を与えて認知症を予防したり、はっきり会話することで孤立を防ぐことにもつながります。
- 歯科検診に定期的に通い歯のケアを行う
- しっかり噛んで食べる
- たくさんおしゃべりする
- 唾液がたくさん出るようマッサージをする
- 歌をうたう
など、口腔ケア方法はさまざまなので、まずは身近なことから始めてみましょう。
社会参加の機会を維持する
趣味やボランティア活動、地域のサークルなどに参加して、他者とのコミュニケーションをとる機会を増やしましょう。
社会とつながりを持つ人は、元気であるというデータも出ています。
例えば「きょういく・きょうよう・ちょきん」を合言葉に外出先をさがしてみませんか。
未病とフレイルを同時に予防することが大切
未病とフレイルはどちらも早期対策が必要な「不健康」な状態です。
まずは不調のサインを見逃さず、ご自身の状態を再確認する必要があります。
最終的な健康寿命を延ばすために、今できることから対策をはじめましょう。
健康寿命ポータルでは、早期対策すべき未病やフレイルなどの状態について詳しく解説しています。そのほかにも健康寿命を脅かす習慣を知りたい方は、ぜひ「健康寿命が縮む原因とは?」の記事も参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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