「粗食が老化の原因になる」という研究結果が注目を集めています。
昔から健康寿命を延ばすには、野菜中心で低カロリー、粗食がよいといわれてきました。
しかし、実は粗食による栄養不足は老化を加速させ、健康寿命を縮める可能性があるのです。
そこでこの記事では、粗食がもたらすリスクと、健康で長生きするために必要な栄養バランスについて詳しく解説します。
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粗食が老化を招く
実は「年を取ったら粗食にすべき」というのは間違いです。
なぜなら粗食は栄養不足の原因となり、全身の筋力低下・免疫力低下を招きます。
特に50歳を超えてきたら、過剰な食事制限は動脈硬化や認知症など、要介護の引き金になる疾患の原因になりかねません。
日本の高齢者は痩せすぎ?
厚生労働省の調査によると、実は日本人の高齢者の多くは痩せすぎです。
平成15~21年の国民健康・栄養調査を見ると、65歳以上の人の約17%はBMI20 以下の「やせ・やせぎみ」です。
明治栄養ケア倶楽部「[講座]50歳を過ぎたら『粗食』はやめなさい!」より
また、私たちが低栄養の警戒指標の1つと考えている血中アルブミン値4.0g / dl以下の割合が増えています。
高齢者の2~3割は低栄養の可能性が高いと見られています。
実際、BMIや血中アルブミン濃度が低いと、以下のような問題が発生します。
- 死亡率が2.5倍に上昇する
- 体力や筋力の低下が顕著
- 認知症になりやすくなる
また、110歳以上のスーパーセンチナリアンは血中アルブミン濃度が高いこともわかっています。
やや太っているくらいが長生きしやすい
極度の肥満が健康に悪いことは事実です。
しかし、実はやや太っているくらいのほうが健康寿命は長いことがわかっています。
日本ではBM(I 肥満指数)において22を理想としていますが、この数値には医学的な根拠がありません。
三井住友信託銀行「健康長寿の食生活とは」より
日本の成人男性の平均BMIが23.5であることを考えても、低すぎる数値です。
むしろ欧米諸国では25~29、日本を含めた東アジアでは24~27の人が長寿であるというデータが一般的です。いわば「小太り」な人が最も長生きしているのです。
このような事実から実は高齢者ほど粗食ではなくしっかり食べて、「やや小太り」くらいを目指すことが健康寿命を延ばすことにつながるといえるでしょう。
粗食による老化を防ぐ「さあにぎやかにいただく」
粗食化を防ぐためには、きちんと栄養バランスのよい食事をとることが大切です。
そこで大切なのが「さあにぎやかにいただく」という合言葉です。
「さ(魚)あ(油)に(肉)ぎ(牛乳)や(野菜)か(海藻)に、い(芋)た(卵)だ(大豆)く(果物)」の10品目うち、毎日7点以上とるようにしましょう。
しっかり食べて老化を防ごう!
粗食はなんとなく健康的に思えるかもしれません。しかし実際は栄養不足を引き起こし、健康寿命を縮めるリスクがあります。
特に50歳以降は体が必要とする栄養素をしっかりと摂取できるよう食生活を見直すことが大切です。
健康寿命ポータルでは、健康を保つための食生活について情報を発信しています。そのほかにも「まごわやさしいで健康に!」などの記事も参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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