新型栄養失調とは、カロリーは十分摂取できているのに、体に必要なたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が行き渡っていない状態です。
実は子どもや女性のほか、特に高齢者が陥りやすい栄養失調として問題視されています。
- 疲れやすくなった
- 便秘になった
- イライラや不安感が増えた
など、小さな変化を感じている方は、いちど新型栄養失調を疑ってみましょう。
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新型栄養失調の原因
ひと昔まえの栄養失調といえば、食糧難によるカロリー不足が原因でした。
しかし、新型栄養失調の原因は「食事の質の低下」です。
- 無理なダイエット
- インスタント食品の常用
- 偏った食生活
- 極端な粗食
などにより栄養バランスが崩れ、栄養失調状態になってしまいます。
高齢者が新型栄養失調になりやすい理由
実はシニアの食卓をみると、きちんと食べていても栄養失調になる方が多いことがわかっています。
高齢者の1~2割が低栄養状態
みんなの介護「高齢者の「新型栄養失調」とは? 知っておくべき原因と対策」より
厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、65歳以上の高齢者のうち、男性 12.4%、女性 20.7%が低栄養傾向(BMI20kg/m²未満)にあることがわかっています。(中略)
また、最も低栄養状態の方が多いのは 85 歳以上であり、高齢になるほど低栄養になるリスクが高まることがわかります。
それではその理由を3つみていきましょう。
消化器官の老化
加齢により、どうしても胃や腸の消化吸収能力は衰えていきます。
そのため若い時と同じ量を食べていたとしても、実は吸収できる栄養素は少なくなっているのです。
健康志向で粗食に偏りやすい
また、高齢者になると食卓も健康志向になりがちです。
例えばうどんやそうめんなどさっぱりした単品で済ましたり、油分の少ない粗食に偏る傾向があります。
そのままだと栄養失調がすすみ、タンパク質や食物繊維が不足して、血管の老化や筋力の低下(サルコペニア)などを招く結果になるのです。
外出や買い物の機会が減る
加齢に伴い、家に閉じこもりがちな方が増えていきます。
すると肉や魚などの生鮮食品が減って、インスタントや菓子パンなど簡単に食べられ、保存がきくものに食材が偏ってしまいがちです。
また、運動不足になるとオーラルフレイルの引き金になるため、健康的な食事から遠ざかってしまいやすくなります。
新型栄養失調は健康寿命を縮める
新型栄養失調により低栄養が進むと、フレイルやサルコペニア、認知症、要介護など様々な健康リスクが高まります。
そのため健康寿命を損なわないためにも、バランスのよい食事をしっかりと食べることが大切です。
栄養補助食品を活用する
例えば食が細いなど、どうしても必要な食事量が確保できない場合もあるでしょう。
その場合、青汁などの栄養補助食品を活用するのもおすすめです。
ただし、あくまで主な栄養素は食事からとり、不足分を補うことが大切です。
配食サービスを活用する
実は、配食サービスや支援施設を利用している高齢者は、新型栄養失調になりにくい、という調査結果がでています。
そのため栄養バランスのよい食事を作るのが大変な方は、1日1食でも配食サービスを利用してもよいでしょう。
新型栄養失調を予防して健康な毎日を!
新型栄養失調は、高齢者にとって深刻な健康問題です。
60代以降もタンパク質やビタミン、ミネラルなどのバランスを意識し、しっかりと食事をするようにしましょう。
健康寿命ポータルでは、高齢者の食生活に関する情報をお伝えしています。「まごわやさしいで健康に!7つの食材で栄養バランスを整えよう」の記事なども参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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