梅干しは、昔から効果が高く、身近にある日本の長寿食です。

「一日一粒で医者いらず」「梅はその日の難のがれ」という言葉もよく知られています。

実は近年、梅干しの多種多様な健康効果が明らかになっていることをご存知ですか。

今回は、馴染みのある梅干しの健康効果を詳しくご紹介します。

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梅干しとは?

梅干しは、梅の実を塩漬けにし、日干しの後、梅酢につけた保存食品です。

古くは奈良・室町時代ごろからはじまり、戦国武将の携帯食としても知られています。

梅干しの機能を知り尽くし、実戦に活用していたのが戦国時代の武士たち。兵法書によく「息合(いきあ)いの最上は梅なり」と出てくる。「息合い」というのは、呼吸を整えることで、激しい合戦や強行軍のあとの息切れを癒し、疲労を回復させるために欠かせなかった。

健康長寿ネット「日本の長寿食 梅干しの効果」より

近年では、梅干しに疲労回復やダイエット効果だけでなく、動脈硬化や糖尿病、胃がん、骨粗鬆症などの予防効果があることがわかってきました。

梅干しの効果

梅干しの健康効果はたくさんあります。ここでは、その代表的なものをみていきましょう。

疲労回復効果

まず、梅干しの代表的な効果は疲労回復です。

梅干しに含まれるクエン酸は、体内で疲労物質である「乳酸」の分解を助けます。また、代謝を活発にするため疲労回復が進むのです。

事実、東京女子体育大学での研究によると運動後の梅干し摂取で翌日の疲れを緩和できたというデータも実証されています。

血糖値の上昇を防ぐ

梅のオレアノール酸は、食後の血糖値の急上昇を抑える働きがあります。

血糖コントロールができれば、糖尿病の予防にもつながるでしょう。

殺菌効果

梅干しのクエン酸は、昔から殺菌効果があることが知られていました。

食中毒予防のためにお弁当に梅干しを入れている方も多いでしょう。

腸活作用

実は、梅干しに含まれるカテキン酸やエポキシリオニレシノールには、悪玉菌の増殖を抑える効果があります。

また、植物性乳酸菌も含まれているため、整腸作用にも期待できます。

  • 下痢や便秘の予防
  • 腸内フローラの正常化
  • 整腸作用による免疫力向上

など、梅干しにはさまざまな腸活効果があるのです。

がん予防

梅干しには抗酸化作用を持つポリフェノールが含まれています。

ポリフェノールは体内の活性炭素を除去してくれるため、DNA損傷や細胞のストレスを軽くし、ガンになるリスクを下げる働きが期待できます。

動脈硬化予防

また、梅干しの成分であるムメフラールには血液をサラサラにする効果があります。

ムメフラールは梅干しを加熱することで発生する成分です。

平成11年に農林水産省食品総合研究所が発見したまだ新しい成分ですが、動脈効果や心筋梗塞、脳梗塞の予防につながることがわかってきました。

肝機能改善効果

福井県立大学の研究で、梅干しの有機酸には肝臓の脂肪蓄積をおさえる効果があることがわかりました。

例えば、梅干しは肝機能を助けるため、飲酒後に食べると二日酔いが軽減されます。

骨粗しょう症予防

実は梅干しには、りんごの4倍のカルシウムがふくまれています。

また、カルシウムの吸収を助けるマグネシウムやクエン酸も豊富に含まれているため、骨の形成を助ける効果が期待できます。

実は、梅干しを食べている人とそうでない人では骨密度が約10%違うというデータもあるほどです。

なおカルシウムは夜8時ごろから吸収率が上がることがわかっています。そのため、夕食といっしょに梅干しを食べるのがオススメです。

ダイエット効果

梅干しにはバニリンという脂肪細胞の増加・肥大を防ぐ成分が含まれています。

また、実はこのバニリンは1分加熱するだけで脂肪燃焼効果が20%アップするのです。

そのため、電子レンジで加熱したり、フライパンやトースターで「焼き梅」にしてたべるとよりダイエット効果が期待できます。

アンチエイジング効果

梅に含まれる梅グリナンというポリフェノールは、強い抗酸化作用をもっています。

老化の原因となる活性炭素の除去や、抗腫瘍効果、ピロリ菌の抑制など、さまざまな効果が期待できる成分です。

なお、この梅グリナンは「はちみつ漬け」のほうが普通の梅干しより30%多いこともわかっています。

また、梅干しに含まれるビタミンE(α-トコフェロール)にも抗酸化作用や血行促進効果があります。

ビタミンEは若返りのビタミンとも呼ばれており、肌や体内の老化防止効果も高いです。

1日1個の梅干し効果で健康な毎日を!

梅干しは昔から作られてきた保存食であり、素晴らしい健康食です。

効果を最大限に発揮するためにも、今回ご紹介した食べる時間・食べ方などを意識して日々の食生活に取り入れてみましょう。

ただし、梅干しには塩分が多く含まれているため、1日1粒を目安に、食べ過ぎないよう注意することが大切です。

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野上 和香子 (Wakako Nogami)
野上 和香子 (Wakako Nogami)