マグネシウムは、人間の体にとって不可欠なミネラルの一つです。

しかし、現代の日本では多くの人々が隠れマグネシウム不足だと指摘されています。

そこで今回の記事では、

  • なぜマグネシウム不足に陥っているのか
  • マグネシウムの健康効果
  • マグネシウム不足が引き起こす症状

などを詳しく解説します。

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なぜ現代日本人はマグネシウム不足?

実はもともと日本の土は火山灰質なので、含まれるミネラル分は多くありません。

それを補うため、日本では古くから雑穀やワカメなどを食べてきました

しかし、現代人はその食生活が崩れています。

食生活の欧米化

現在日本人のマグネシウム不足の原因は、食生活の欧米化です。

伝統的な「まごわやさしい」といった和食材を使うことが少なくなり、高脂肪・高カロリーの欧米食が主流になりました。

こういったライフスタイルの変化により、マグネシウムの摂取量が激減したのです。

白米が主流に

日本では戦前、マグネシウムを豊富に含む玄米や雑穀米(大麦など)が主流でした。

しかし現代では精米され、マグネシウムを含む胚芽やぬかが取り除かれてしまっています

過剰に精米されたお米はマグネシウムをあまり含まないため、白米を主食とすることでマグネシウムの摂取量も少なくなっているのです。

精製塩が主流に

日本の塩は昔、海水を蒸発させた粗塩が主流でした。この粗塩には、塩以外にもカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。

しかし、現代ではほとんどが安く少量で塩味を感じられる「精製塩」が使われるようになりました

実は人工的に作られた精製塩には、マグネシウムはほとんど含まれていません。

塩の過剰摂取

現代人は精製塩の利用増加に加え、ライフスタイルの変化により味の濃い加工食品や外食も増加しています。

そのため、全体的に塩分は過剰気味です。

しかし、実は塩を過剰摂取すると、体内のマグネシウムは排出されてしまいます

ストレス

また、ストレスもマグネシウムの不足を引き起こす要因です。

あまり知られていませんが、実は人はストレスを感じると尿中のマグネシウムの排出量が増加します

そのため、慢性的にストレスにさらされている現代人は、マグネシウムをしっかりと摂取しているように見えても、それ以上に過剰に排出している可能性があるのです。

カルシウムの過剰摂取

実はカルシウムとマグネシウムは「ブラザーミネラル」と呼ばれ、体内でセットで働いています。

通常過剰なカルシウムは尿として排出されますが、実はそのときに体内でセットになっているマグネシウムも一緒に排出してしまうのです。

現代ではカルシウムが添加された食品が多いため、気づかないうちに過剰摂取し、そのぶんマグネシウム不足している可能性が高いのです。

マグネシウムとは

そもそもマグネシウムは、体内で重要な役割を果たすミネラルです。

  • 骨や歯をつくる
  • 300種以上の酵素を活性化
  • カルシウムとともに筋肉の収縮を制御する
  • 神経伝達やDNA合成をサポートする
  • 細胞のエネルギー生産を助ける
  • 血糖値の調整

など、生きるために欠かせない働きを担っています。

マグネシウム不足が引き起こす症状

マグネシウムが不足すると、体にさまざまな不調が現れます。

筋肉の痙攣やこむら返り

マグネシウムはカルシウムとともに、筋肉の収縮と弛緩を調整しています。

そのため不足すると筋肉が過剰に収縮し、こむら返りなどの痙攣症状が発生します。

慢性疲労

マグネシウムは細胞のエネルギー生成に関わるミネラルです。

そのため不足すると体がエネルギーをうまく作り出せず、疲労感を感じやすくなります

高血圧

マグネシウムは心臓や血管の健康にも関わっています。

そのため不足すると血管が収縮しやすくなり、血圧が上がりやすくなります。

また、不整脈になりやすく、虚血性心疾患や動脈硬化症などのリスクを高める事も知られています。

精神的不安やイライラ

マグネシウムは神経伝達のサポートも行っています。

そのため不足すると精神的に不安定になったり、イライラしたりすることがあります。

マグネシウムを意識してみよう!

実は、令和元年の「国民健康・栄養調査」で、マグネシウム摂取平均は247.1mg/日です。

これは、2020年に発表されたマグネシウムの食事摂取基準よりも、男女ともに不足しています

  • 30~64歳男性 370mg/日
  • 30~64歳女性 290mg/日

実際はストレスやカルシウム・塩の過剰摂取で排出されているため、体内に残っているマグネシウム量はさらに少ないと考えられます。

まずは毎日の食事をチェックして、マグネシウムの摂取量を見直してみましょう。

健康寿命ポータルでは、健康寿命を延ばすための食生活について詳しくご紹介しています。また、マグネシウムのおすすめの摂取方法については「その疲労、実はマグネシウム不足?おすすめの摂取方法まとめ!」の記事を参考になさってください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

投稿者プロフィール

野上 和香子 (Wakako Nogami)
野上 和香子 (Wakako Nogami)