ストレスは健康寿命の天敵です。
実は適度なストレスは、脳を活性化させるためにも不可欠です。しかし、ずっとストレスがかかっている状態では健康寿命を損なってしまいます。
そこで今回は、特に高齢者が気をつけるべきストレスについて詳しくお伝えします。
現代社会はストレスを受けやすいため、まずはストレス要因を把握しておきましょう。
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ストレスとは?
ストレスとは、外的要因によって心や体に生じる緊張や反応のことを指します。
また、ストレスの原因はストレッサーと呼ばれ、以下の3つに分類されることが一般的です。
- 環境的ストレッサー:気温や天候、騒音など
- 身体的ストレッサー:寝不足や持病など
- 心理的ストレッサー:人間関係や不安、家庭問題など
現代社会では誰もがこのストレッサーにさらされています。
ストレスが健康寿命を縮める
過剰なストレスは心身の健康を損なうだけではありません。実は健康寿命そのものを縮めてしまうことが判明しました。
これは精神的ストレスを受けると分泌されるコルチゾールというホルモンが免疫細胞や神経細胞を攻撃することが原因のひとつです。
実際に、エディンバラ大学の調査でも関係性が明らかになっています。
エディンバラ大学の調査研究によると35歳以上の成人6万8千人を10年間追跡調査した結果、うつ病や不安症を抱えている人ほど、がん、心臓病、脳卒中を発症しやすく寿命が短くなることが明らかとなった。
「ストレスで寿命が縮む」のを回避する方法 白澤 卓二
ヒトは精神的ストレスがかかるとストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌が副腎で増加する。コルチゾールは短期的には身体がストレスに対抗することに重要な役割を果たすが、分泌が長期化すると免疫細胞や神経細胞などを攻撃して免疫力を低下させたり、その結果がんを発症したり認知症を引き起こしたりする。
高齢者特有のストレス要因
実は若者と高齢者では抱えるストレスの要因が異なります。
- 心理的要因
- 身体的要因
- 社会的要因
の3つから、具体的に見ていきましょう。
心理的要因
60代にさしかかると、多くの高齢者は配偶者の死や仕事のリタイアなど大きな喪失体験に遭遇します。
これまでの社会的地位を失ったり経済的に困窮するなど、困難な状況に置かれることも少なくありません。
こういった心理的ストレスにさらされていると心理的フレイルになり、抑うつ状態に陥りやすくなってしまいます。
身体的要因
身体的要因とは加齢に伴う運動機能や記憶力の衰えなどです。
特に視覚や聴覚判断力が衰えてくると、うまく会話に入れずに孤独感を感じてしまう高齢者も少なくありません。
今までできていたことが「できなくなる」ことは大きなストレスです。また、要介護になり誰かに世話をされるのが、辛い方も多いでしょう。
社会的要因
高齢になるとなかなか外に出る機会が少なくなり、社会的な交流が失われがちです。
また、人との交流がなくなると社会的フレイルに陥りやすくなります。孤立したり、要介護になるまで誰にも異常に気づいてもらえない可能性が高まるのです。
ストレスを解消して元気な毎日を送るには
高齢者のストレス解消には人とのつながりを持つことが重要です。
例えば家族や友人に話を聞いてもらったり、少し散歩に出て気分転換をするだけでもストレスを軽減することができます。
一度孤立してしまうとなかなか相談相手を見つけることは難しいため、身の回りに高齢者がいる方は積極的に話し相手になってあげると良いでしょう。
健康寿命 ポータルでは、健康寿命を伸ばすための取り組みについて積極的に発信しています。
フレイル予防については「きょうよう」「きょういく」「ちょきん」とは?健康寿命の合言葉をチェック」の記事もぜひご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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