サーチュイン遺伝子は「若返りの遺伝子」として注目を集める遺伝子群です。
しかし「細胞レベルでの若返り」と言われてもイメージがわかない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、このサーチュイン遺伝子の仕組みや働きについて詳しく解説していきます。
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サーチュイン遺伝子とは?
サーチュイン遺伝子は、細胞の修復やエネルギー代謝などに関わる遺伝子群です。
実は細菌から哺乳類までほとんどの生物が持っています。
2000年にマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授と今井眞一郎教授によって発表され、寿命をコントロールする効果があることから注目されるようになりました。
これまでの研究で、実は人間には7種類のサーチュイン遺伝子(SIRT1からSIRT7)が存在することもわかっています。
サーチュイン遺伝子の働き
実は私たちが老化する大きな原因は、日々DNAがダメージを受けているからです。
例えばストレスや紫外線、暴飲暴食、不規則な生活など、様々な要因で細胞が再生する機能は弱まってしまいます。
しかしサーチュイン遺伝子は、こういったダメージを効率よく修復することができるのです。
- 細胞のDNAダメージの修復
- ミトコンドリアのエネルギー生産をサポート
- 老化細胞を除去し、細胞全体の再生を助ける
- 活性酸素や慢性炎症から細胞を守る
- 細胞分裂の限界数(ヘイフリック限界)を増やす
また、様々な生活習慣病のリスクを下げる効果もあります。
- インスリン分泌の促進し、糖尿病リスクを下げる
- 神経細胞を保護し、認知症リスクを下げる
- 血管の健康維持により動脈硬化を防ぐ
このように、サーチュイン遺伝子はDNAレベルで細胞を再生しつつ、さまざまな病気の予防にも役立っているのです。
サーチュインを活性化するには
では、健康寿命を延ばすためのさまざまな機能を活性化するにはどうすればいいのでしょうか?
カロリー制限をする
実は、1日のうち一定時間(通常12〜16時間)空腹の時間をつくることで、サーチュイン遺伝子が活性化することがわかっています。
また、「腹八分目」の食事を心がけることも大切です。
これは、細胞の再生を促す「オートファジーを活性化する方法」とよく似ています。
サートフードの摂取
サートフードとは、サーチュイン遺伝子を含む食品のことです。
- 蕎麦
- セロリ
- コーヒー
- エクストラバージンオリーブオイル
- 緑茶
- ケール
- 赤ワイン
- 大豆
- いちご
- くるみ
などがあります。
ポリフェノールのレスベラトロールを摂取する
赤ワインやぶどうなどに含まれるポリフェノールの「レスベラトロール」も、サーチュイン活性化に効果があるという研究があります。
このレスベラトロールはオートファジーも活性化してくれるため、積極的に取り入れたい成分です。
NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)の摂取
NMNは、体内でNAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)に変換される物質です。
このNADはサーチュイン遺伝子を活性化してくれます。
NADを増やす方法として、運動やカロリー制限などの有効性が知られているが、近年ではNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド、ビタミンB3からつくられる物質)の摂取なども注目を集めている。
日経BP 総合研究所 Beyond Health「サーチュイン遺伝子」より
ただしNMNは食品から摂取することが難しいので、栄養補助食品などを活用しましょう。
サーチュイン遺伝子の活性化で健康長寿を目指そう!
サーチュイン遺伝子は「長寿遺伝子」「抗老化遺伝子」として注目を集めています。
誰にでも備わっている遺伝子ですが、加齢や生活習慣の乱れによってその機能は衰えてしまうため、積極的に活性化を促すことが大切です。
健康寿命ポータルでは、長寿に関わる遺伝子や最新の研究などをご紹介しています。ぜひ次に「寿命は何で決まる?遺伝子要因や環境要因について解説」の記事も参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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