メッツで家事が運動に？日常生活を健康的に変える方法

メッツ（METs）とは、私たちの運動や日常生活がどれくらいエネルギーを消費しているかを示す指標です。

よく「意識して運動しましょう」といわれますが、具体的に何をすべきか困ってしまうことはありませんか。

そこで今回は、

掃除機をかける
通勤を自転車にかえる
エレベーターではなく階段を使う

などの日常動作が、実はどのくらいのカロリーを消費しているのかをみていきましょう。

みんなで健康寿命を高めましょう！

健康寿命が全国平均より10歳も長い町・大阪府太子町から、健康的な日常生活を続けるためのヒントをお届けしています。

1. メッツ（METs）とは？
1.1. 1エクササイズとは
2. 日常生活の動作はなんメッツ？
2.1. 軽い身体活動
2.2. やや強い身体活動
2.3. より詳しいメッツ表を確認したい場合
3. なぜカロリー（kcal）で消費エネルギーを計算しないの？
3.1. 1エクササイズの消費エネルギー量
4. メッツ使ってエネルギー消費を「見える化」してみよう！

メッツ（METs）とは？

メッツとは、運動や家事など日常の身体活動の強さを示す指標です。

具体的には、1メッツ＝「静かに座っている安静状態」が基準になり、その何倍の強度で活動しているかがひと目でわかるようになっています。

1エクササイズとは

また、メッツに活動時間をかけ合わせたものが「1エクササイズ」です。

例）3メッツの歩行活動✕1時間＝3エクササイズ

これは、厚生労働省が「健康づくりのための運動指針」にて活用している指標で、生活習慣病予防のために欠かせない身体活動量を示す際に利用されています。

日常生活の動作はなんメッツ？

実は買い物や家事など、日常的な身体活動も意識して行えば立派な運動になります。

ここでは、日常的な身体活動がどの程度にあたるのか、みていきましょう。

軽い身体活動

1.8メッツ：立った状態での会話や電話、皿洗い
2.5メッツ：子どもの世話、水やり、ヨガ、ピラティス
3.0メッツ：歩行、掃除機、犬の散歩、大工仕事、ボウリング、バレーボール、太極拳

このように、通常通り歩いているだけでも、太極拳やボウリング、バレーボールなどの運動とほぼ同じ運動強度です。

ということは、日常生活での歩行をもう少し速歩きにするだけで、ちょっとした運動以上の健康効果を得ることができる、といいかえることもできます。

やや強い身体活動

3.3メッツ：掃除機をかける
3.5メッツ：ほどほどの速歩き、階段を降りる、軽い自重筋トレ、ゴルフ
4.0メッツ：自転車での通勤、階段を登る、介護、フィットネス、卓球、ラジオ体操第一
4.5メッツ：速歩き、テニス、ラジオ体操第2

この表を見ると、掃除機をかけるだけでも3.3消費されるため、テキパキやれば軽い自重筋トレとほぼ同等のエネルギー消費効果が期待できるのです。

このように、意外にも日常動作をしっかりと行うだけでも、相当のエネルギーを消費できることがわかります。

より詳しいメッツ表を確認したい場合

より詳しい換算表を確認したい場合は、

国立健康・栄養研究所ホームページ　改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」

厚生労働省　生活活動のメッツ表

などを参考になさってください。

なぜカロリー（kcal）で消費エネルギーを計算しないの？

これまでダイエットなどの指標では「消費カロリー」による計算が一般的でした。

しかし、消費カロリーは体重によって個人差が発生するという欠点があります。

そのため、その欠点を補い、健康増進に必要な運動量を示すための指標として「メッツ」「エクササイズ」という指標が用いられているのです。

1エクササイズの消費エネルギー量

厚生労働省の生活習慣予防の指標「メッツ」は、カロリーに換算することもできます。

「健康づくりのための運動指針2006」より、簡易換算式をみていきましょう。

簡易換算式：エネルギー消費量(kcal)＝1.05×ｴｸｻｻｲｽﾞ（ﾒｯﾂ・時）×体重(kg)

体重40kg：エネルギー消費量42kcal

体重50kg：エネルギー消費量53kcal

体重60kg：エネルギー消費量63kcal

体重70kg：エネルギー消費量74kcal

体重80kg：エネルギー消費量84kcal

体重90kg：エネルギー消費量95kcal

運動所要量・運動指針の策定検討会「健康づくりのための運動指針 2006～生活習慣病予防のために～」より