活性酸素とは、呼吸によって変化した特殊な酸素のことです。
体内で過剰に蓄積すると、老化や病気の原因となる酸化ストレスを引き起こします。
しかし、この活性酸素は健康維持に重要な役割も果たしているのです。
そこで本記事では、活性酸素が発生する仕組みや種類、体内での役割などを詳しく解説します。
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活性酸素とは
活性酸素とは、呼吸で取り込んだ酸素が、一時的に不安定になった状態です。
活性酸素(かっせいさんそ)
厚生労働省e-ヘルスネット「活性酸素」より
大気中の酸素よりも活性化された酸素およびその関連分子で、酸素原子を含む反応性の高い化合物の総称。
不安定な状態の酸素は、安定するためにさまざまな物質と反応しようとします。
その結果、細胞膜やDNAを傷つけてしまうのです。
活性酸素の種類
活性酸素は、実は1種類ではありません。
例えば、以下のような種類があります。
- 一重項酸素:酸素が通常の状態より活性化された状態
- スーパーオキシド:酸素が一電子還元された状態
- 過酸化水素:スーパーオキシドが変化した物質
- ヒドロキシラジカル:最も反応性が高く、細胞へのダメージが大きい状態
体内では様々な活性酸素が生まれているため、過剰に蓄積しないように、意識して抗酸化力の高まる生活をすることが大切です。
活性酸素が発生するメカニズム
活性酸素は、さまざまな要因で発生します。
ミトコンドリアでのエネルギー代謝
呼吸で体内に取り込んだ酸素は、細胞内のミトコンドリアでエネルギー生産に使われます。
そして、その過程で約2~3%の酸素が活性酸素に変化しているのです。
外部要因
そのほかにも、活性酸素は、周りの環境などの外部要因でも発生します。
- 紫外線
- PM2.5の大気汚染
- タバコの受動喫煙
- 農薬・添加物などの化学物質
など、日常生活のなかで、酸化ストレスが蓄積していきます。
内部要因
また、外部の環境要因以外にも、生活習慣の乱れでも発生します。
- 睡眠不足
- 喫煙習慣
- 過剰なストレス
- 過剰な運動
- 栄養バランスの乱れ
など、体内の自律神経が乱れたり、抗酸化力が低下する習慣がある場合は、過剰な活性酸素が発生することがわかっています。
活性酸素の役割
活性酸素は細胞やDNAを傷つける一方、実は体内で健康維持に欠かせない役割も担っています。
免疫機能
実は活性酸素には強力な殺菌作用があるため、免疫機能をサポートしています。
白血球がウイルスなどを攻撃する際に活性酸素を発生させ、病原体や感染した細胞を除去するのです。
また、がん細胞を攻撃することもできるため、がん治療の一環として利用されることもあります。
細胞間のシグナル伝達
細胞の増殖などは、細胞間のシグナル伝達によってコントロールされています。
実は活性酸素は、このシグナル伝達にも関与しているのです。
細胞のアポトーシスを調整
また、活性酸素は細胞を攻撃することができるため、不要になった老化細胞やがん細胞などの異常な細胞を除去する働きも担っています。
こういった細胞死の誘発を「アポトーシス」と呼びます。
活性酸素の悪影響
活性酸素は体内の免疫や健康維持に欠かせない物質です。
しかし、放置すると
- シミやシワ、白髪などの老化現象がすすむ
- 糖尿病、動脈硬化、脂質異常症などの生活習慣病になりやすい
- 神経が傷つき、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病につながる
などの病気の発生につながります。
そのため、体内から完全に「除去」するのではなく、体内の抗酸化力を高めたり、ストレスを減らして過剰な発生を防ぐことが大切です。
活性酸素のコントロールは老化防止に重要!
活性酸素は、体内で重要な役割を果たす一方で、過剰に蓄積すると老化や病気の原因になります。
体内の活性酸素とうまく付き合うためにも、まずは酸化ストレスのたまらない生活を心がけましょう。
健康寿命ポータルでは、老化防止のため酸化ストレスを減らすコツについて解説しています。
そのほかにも「酸化ストレスを減らすには?若々しさを保つ習慣を解説」の記事も参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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