健康診断で肝機能の数値が高いと指摘されると、不安を感じる方も多いでしょう。

しかし、肝機能の指標ALT、AST、γ-GTPの数値は重要な健康バロメーターです。

本記事では、これらの数値が高くなる原因や対策について、最新の情報を交えて解説します。

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肝機能の数値が高い原因とは?

まず、肝機能の指標として代表的なものに、

  • ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)
  • AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)
  • γ-GTP(ガンマグルタミルトランスペプチダーゼ)

があります。

例えばこれらの数値が高くなる主な原因として、脂肪肝、過度の飲酒、薬剤の影響、ストレスなどが挙げられます

特に、近年では生活習慣病に起因する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の増加が報告されており、注意が必要です。 

ALT・AST・γ-GTPの基準値と異常値の意味

例えばALTとASTは、肝細胞が損傷を受けると血液中に漏れ出す酵素です。

具体的に日本肝臓学会では、ALTの基準値を30U/L以下としています。

また、γ-GTPは肝臓や胆道に異常があると上昇する酵素です。基準値は50U/L以下とされています。

実は健康診断の結果が基準値を超える場合、肝臓の炎症や障害が疑われます。 

肝機能の数値が高くなる主な原因

また、肝機能の数値が高くなる主な原因として、以下のものが挙げられます。

  • 脂肪肝:過剰な脂肪の蓄積により、肝細胞がダメージを受けます
  • アルコール過剰摂取:飲酒は肝細胞の損傷を引き起こします
  • 薬剤性肝障害:一部の薬剤は肝臓に負担をかけます
  • ストレス:慢性的なストレスは、肝機能に影響を及ぼします

肝機能の数値が高いと指摘されたら?再検査や精密検査の流れ

もし健康診断で肝機能を指摘された場合、放置せずに適切な対応を取ることが重要です。

特にALTの値が30U/Lを超える場合は、かかりつけ医への受診が推奨されています。 

健康診断後に再検査を受けるべき基準

まずALTやAST、γ-GTPの数値が基準値を超えている場合、再検査が必要です。

特に、ALTが30U/Lを超える場合は、肝臓に何らかの異常がある可能性があります。

放置すると肝炎や肝硬変など深刻な疾患に進行するリスクがあるため、早期の医療機関受診が重要です。 

精密検査の種類と費用、期間の目安

再検査の結果、さらに詳しい検査が必要と判断された場合、精密検査が行われます。

  • 血液検査:肝炎ウイルスの有無や自己免疫性肝炎の検査など
  • 腹部超音波検査:肝臓の形状や脂肪の蓄積状態を確認
  • CT検査:肝臓の詳細な画像を取得し、腫瘍の有無などを検査

これらの検査の費用や期間は医療機関や検査内容によって異なりますが、一般的には数千円から数万円程度で、検査自体は数十分から1時間程度で終了します。

肝機能の数値を改善・正常化する方法

肝機能の数値が高いと指摘された場合、生活習慣の見直しが効果的です。

特に食事や運動、飲酒習慣の改善が重要となります。

食事で肝機能を改善するには?

まず、肝臓の健康を維持するためには、以下の食品を積極的に摂取することが推奨されます。

  • 肝臓の再生を助ける良質なタンパク質:魚、鶏肉、大豆製品(納豆・豆腐)など
  • 抗酸化作用のある食品:緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草)、果物(ブルーベリー、柑橘類)は
  • 脂肪肝のリスクを低減するオメガ3脂肪酸を含む食品:青魚(サバ、イワシ)、亜麻仁油、えごま油など
  • 肝臓への負担を軽減する発酵食品:ヨーグルト、味噌、キムチなど

一方で、以下のような食材は控えることが大切です。

  • 肝臓に負担をかけるトランス脂肪酸や添加物・加工食品・ジャンクフード
  • 脂肪肝の原因になりやすい砂糖・果糖が多い食品
  • アルコール

運動・生活習慣の見直しで肝臓を健康に

また、適度な運動と生活習慣の改善も、肝機能を正常化するのに役立ちます。

  • 有酸素運動:ウォーキングやジョギング、サイクリングなどを週3~5回
  • 筋トレ:スクワットや腕立て伏せなどで基礎代謝を向上
  • 十分な睡眠:肝臓の修復のため7時間以上の睡眠が必要

健康診断で肝機能が気になったら

肝機能の数値が高いと健康への影響が心配になりますが、原因を知り、適切な対策を講じることで改善が可能です。

まずは食事や運動、生活習慣から見直していきましょう。

なお、健康診断後に数値が気になった場合は、放置せずに医師に相談し、再検査や生活改善に取り組むことをおすすめします。

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野上 和香子 (Wakako Nogami)
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