未病(みびょう)とは、健康と病気のちょうど中間の状態を指す言葉です。
実は健康寿命と平均寿命の差を縮めるには、未病の早期発見が重要になります。
そこで今回は、厚生労働省などの定義などから詳しい概念を解説します。
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未病とは
未病とは、まだ病気ではないけれど、健康な状態から離れている状態を指します。
具体的には、いわゆる診断はされないものの、体の不調を感じている段階です。
例えば、
- なんとなく疲れが取れない
- だるさが抜けない
- すっきり眠れない
- ずっと頭が痛い
- 肩こりや腰痛がある
など、程度や症状には個人差があります。
実は洋医学において約2000年前から存在する概念です。中国最古の医学書「黄帝内経」に登場したのが最初と言われています。
一方で、日本では、2017年に閣議決定された「健康・医療戦略」で重要性が指摘されています。
厚生労働省による定義
厚生労働省では、以下のように定義しています。
健康と病気を「二分論」の概念で捉えるのではなく、心身の状態は健康と病気の間を連続的に変化するものとして捉え、この全ての変化の過程を表す概念である。
厚生労働省「未病指標について」より
つまり、健康と病気をつながったものと考え「健康ではないが、まだ病気には至っていない状態」と定義しているのです。
また、厚生労働省は未病リスクを「未病指標」として可視化する施策も進めています。
日本未病学会の定義
また、一般社団法人日本未病学会は、「健康から病気に向かっている状態」と指摘しています。
具体的には、以下の2パターンです。
- 自覚症状はないが検査では異常がある状態
- 自覚症状はあるが検査では異常がない状態
また、健康と病気の間の期間を「未病期」と定義しており、以下のような症状や疾患を対象ととらえています。
未病の対象となるのは、境界域高血圧、高脂血症、境界域糖尿病、肥満、高尿酸、動脈硬 化、骨粗鬆症、無症候蛋白尿、B型肝炎ウィルスのキャリア、無症候性脳梗塞、潜在性心不全、 脂肪肝などがあり、さらに広がることが予想されます。 一方、シンドロームX、インスリン抵抗性はアメリカからきた未病として捉えられ、現在ではメタボリックシンドロームは、まさしく「未病」といえるでしょう。
一般社団法人日本未病学会「未病とは?」より
未病改善が推進される背景
厚生労働省が未病の改善を推進する背景には、日本の超高齢化があります。
このまま高齢化が進み、病気や要介護に陥る人が増加すれば、国の医療費や介護費用の負担は増大するばかりです。
しかし、早期対策に取り組めば、健康寿命を延ばすことができます。
つまり未病の状態を「健康」に戻すことで元気で自立した高齢者を増やし、平均寿命と健康寿命のギャップを縮めることを目指しているのです。
「未病」を正しく知って健康寿命を延ばそう!
未病の状態は、健康と病気の間で揺れ動いています。
一度病気を発症してしまうとなかなか健康な状態には戻りにくいため、まずは未病の状態で進行を食い止めることが大切です。
まずは健康診断などに定期的に通い、病気の兆候がないかチェックするところからはじめてみましょう。
健康寿命ポータルでは、健康寿命を延ばすための取り組みについて情報を発信しています。そのほかにも「健康寿命が縮む原因とは?持続的な健康を目指すためのポイント」の記事なども参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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