「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、厚生労働省が令和6(2024)年1月に公表した生活習慣病予防のための運動ガイドラインです。
このガイドラインには、運動不足になりがちな現代人に向けて、健康寿命を延ばすためのアドバイスがたくさん記されています。
そこで今回は、このガイドラインに沿って、健康を維持するためのポイントをみていきましょう。
みんなで健康寿命を高めましょう!
健康寿命が全国平均より10歳も長い町・大阪府太子町から、健康的な日常生活を続けるためのヒントをお届けしています。
健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023とは?
身体活動・運動ガイド2023とは、これまでの「健康づくりのための身体活動基準2013」の改訂版です。
ここでは、どのような内容かポイントをみていきましょう。
名称が「基準」から「ガイド」に
まず、名称が「身体活動基準」から「身体活動・運動ガイド」に変更になりました。
これは、「基準」という表現が全国民が同じように取り組めばよいものだと誤解される恐れがある、という判断からの配慮です。
そのため今回のガイドラインでは、ひとりひとりの健康状態など個人差を重視したものになっています。
高齢者、成人、子どもそれぞれに推奨ガイドラインを規定
身体活動・運動ガイド2023では、高齢者・成人・子どもそれぞれにおすすめの取り組みについて解説しています。
①高齢者
高齢者に向けては、1日40分以上の身体活動が推奨されています。具体的には3メッツ以上の強度、約6,000歩ほどです。
また、週3日以上の有酸素運動や筋力トレーニング、バランス運動、柔軟運動などが推奨されています。
②成人
成人に向けては、1日60分以上の身体活動が推奨されています。具体的には、3メッツ以上の強度、約8,000歩ほどです。
加えて、息が弾み汗をかく強度以上の (3メッツ以上) の運動を60分以上と、週2〜3回の筋力トレーニングが理想とされています。
③子ども
体を動かす習慣がすくない子どもに向けては、60分以上×3メッツ以上の有酸素運動が推奨されています。
また、スクリーンタイムを減らし、座りっぱなしにならない工夫も大切です。
なおスクリーンタイムとは、テレビやゲーム、スマホなどを利用する時間を指します。
座りっぱなしを減らす取り組みがスタート
今回から新たに「座位行動」という概念が導入されました。
座位行動とは例えば、デスクワークや電車・車移動、寝転んだりした状態のことです。
メッツで示すと、具体的には座って行う1.5メッツ以下の行動を指します。
座りすぎやじっとしている時間が長いと健康寿命に悪影響を与えることは明らかです。
「座りっぱなし」の危険性については、こちらの記事を参考になさってください。
メッツとは?
身体活動・運動ガイド2023において、身体活動の強度を示す指標が「メッツ(METs)」です。
具体的には1メッツを安静状態(静かに座った状態)として基準にしています。
例えば、身体活動の強度は以下のように換算されています。
- 3メッツ:通常の歩行
- 4メッツ:ラジオ体操第1
- 5メッツ:スクワット(筋トレ)
なおメッツについて詳しくは「メッツで家事が運動に?日常生活を健康的に変える方法」の記事を参考になさってください。
健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023を読んでみよう!
身体活動・運動ガイド2023では、生活習慣病を予防するためのアドバイスが科学的根拠や研究に基づいてわかりやすく示されています。
今回ご紹介した内容はほんの一部です。
そのため、ぜひご自身のライフステージに合わせて、実際の厚生労働省の「身体活動・運動ガイド2023」からどのような運動が推奨されているのかを目を通してみましょう。
健康寿命ポータルでは、日本政府の健康寿命増進の取り組みについても解説しています。そのほか日本の取り組みについては「第5次国民健康づくり健康日本21(第3次)をわかりやすく解説!」なども参考になさってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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